新型コロナウイルスの影響で、繊維業界は大変な時期を迎えています。ファストファッションの台頭や消費者のニーズの変化に対応できず、多くの繊維企業が苦境に立たされています。しかし、そんな中でも、事業再構築補助金を活用して、新たな事業に挑戦する繊維企業があります。それが、100年前より糸の染色を手がけているC社です。
C社は、染めにくい素材への染色技術に高い評価をいただき、抗菌消臭、涼感温感、吸水撥水、難燃加工等の機能付与も行っています。しかし、アパレル市場の縮小に伴い、売り上げが減少していました。そこで、C社は、医療分野への参入を検討しました。そして、手術時のガーゼ遺残事故防止のために使用する電子タグが普及せず、事故が起こり続けていることを知りました。これは、C社の糸を扱う技術力を活かせると考え、手術用ガーゼ向けRFIDタグの製造に進出する決断をしました。
C社は、アンテナ付ICチップを糸状に加工したRFIDタグを開発し、手術用ガーゼとして提供します。繊維に近い品質にすることで、これまでのRFIDタグ付きガーゼの課題であった、肌触りの硬さや扱いにくさを解消しました。単価も従来品の半分以下での提供を実現します。現在、RFIDタグ付きガーゼの普及率は国内では4%にとどまっていますが、大手衛生材料メーカーの協力を得て、多くの医療機関が活用している手術用キットに本製品を組み込むことで、普及率の向上に貢献します。
C社のように、事業再構築補助金を利用して、新たな事業にチャレンジしたいと思う方は、ぜひこの機会に申請を検討してみてください。事業再構築補助金とは、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です 。補助率は最大2/3で、補助上限額は1億円です 。事業計画書の作成や申請の手続きは、認定支援機関が無料でサポートします 。事業再構築指針に沿った事業計画であれば、どのような事業でも応募可能です 。
事業再構築補助金で、糸の可能性を広げましょう!